Dialogue Crystallization

まっ黒のこんぺいとう

みきーた
2026年6月13日

真夜中に電話が鳴る。認知症の一人暮らし。
「どうしたらいいんですか」
昼間もおんなじ電話があった。一回じゃない。
行って見てくるけれど、
「もう大丈夫です」と、あっけらかんだった。
電話でなんとか安心させる。
「わかりました」 と電話は終わる。
それから、2時間後、3時間後にも電話は鳴った。
「どうしたらいいんですか」
もう行くしかない。
空は白くなり始めている。

わたしの笑顔はマスクの下で、いびつに歪んでいるだろう。
かける言葉のうらがわには、搾り上げてやりたい気持ちが潜んでいるだろう。
だけれど。
この人は、わたしがいるだけで、わたしが話すだけで、お菓子を食べたあとみたいな顔をする。
わたしは、あまくて、おいしい、まっ黒の、とげとげのこんぺいとうなのだ。

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