せっけん水にぷう、と息を吹きこむ。
せっけん水は、小さな、まあるいシャボン玉になって、
生まれたての空にとんでいった。
ぷう、とひとつ。またひとつ。
シャボン玉は、なないろにきらめいて、
待つひとのもとへ、とんでいった。
あのとき、たくさんのシャボン玉が、
気持ち良さそうに空を舞っていた。
ふーっと、力いっぱい、せっけん水に息を吹きかける。
ぶくぶく、ぶくぶく。
せっけん水は、泡立ってふくれた。
ぽとん。
もう、まあるく舞い上がることはない。
きらめきを失った水だけが、泡の下から滴り落ちた。
