Dialogue Crystallization

おおいた柳瀬 いにしえからの伝言・ルーツにふれる

ゆうみ
2026年8月7日

大分と宮崎の県境にある小さな集落・柳瀬。400年前に人が田をひらき、4軒絶やさず増やさず自然の営みに則した暮らしが営まれている——

◽ 犬のいる暮らし

柳瀬の鳥居と田んぼ

大分と宮崎の県境にある小さな集落。柳瀬は400年前に人が田をひらき、4軒絶やさず増やさず自然の営みに則した暮らしが営まれている。

「夜は暗い方がいい」役場にわざわざ電灯を外してもらい、夜の柳瀬には天の川が流れている。集落には犬が2頭いて夜は放し飼いで、野生動物を追い、山を越えて自由に山を走り回っていた。ここで過去形になったが、昨年、番犬隊長のケンちゃんが鹿の罠にかかり右前足を切断。半年後に今度は後足が罠に。2本足でパトロールができなくなってしまったが、柳瀬で野宿した時、犬の遠吠えから唸り声が山にこだまし、大地に振動していることに驚いた。野生動物たちに山里の境界を知らせる役割として、犬の存在が欠かせないことを私は柳瀬で教えてもらった。


◽ 柳瀬の木

柳瀬の大木

集落に入ってすぐ、畦に鳥居が立っている。柳瀬に暮らす90歳のお婆さんが昔の人は山の方に向かって手を合わせていたと話していた。

神社には2本の大木がある。ふくよかな幹に苔を纏い舞い踊る縄文の木、大王のように天に真っ直ぐと立つ杉。そして柳瀬に集落ができた時に記されている大銀杏がある。樹齢400年以上と推定される木の下に御堂があり、小さな観音像が静かに佇んでいる。

苔を纏う幹

矢野家の当主秀一さんが幼い頃、一年に1回、お集まりという日があり、集落4軒がご馳走を持ち寄り、大銀杏の根元で食事をしたそうな。子ども心にその日が楽しみで、なんの集まりか知らんけれど、何かの習わしであったのだろうとのこと。遥むかしの物語、柳瀬の生命力に溢れる木々から感じられる気配に耳を澄ます。切られてしまったら聞くことができない生命からの呼吸を感じていたい。


◽ 受け継いでいくということ

先日、葉山の建築家の方と出会い、能登で集落のリノベーション事業の写真を見せてもらった。サウナや露天風呂、畑の野菜を使うイタリアン料理など、自然の魅せ方が洗練されていた。日本の自然の摂理を背景に、禅なる時空を演出し、瞑想スペースやトレイルランなど若い人々が海外に行かなくても、マインドリセットができる新しい物語を描き、田舎の自然や価値を再構築するのが建築にできることなんだなーと思った。

はて、私がこの4年やってきた柳瀬の活動はいかに。

柳瀬400年最後の当主になるかもしれぬという矢野さんが、田舎の良さをあたたかい心根で話してくれたことがきっかけで始まった田植え。

矢野さんの記憶、色あせていく原風景を新しい人と新たな視点で、純粋に楽しんでいる。矢野さんの隣に座り、見えてくる世界を語ることで、

森の中に佇む

矢野さんのルーツや柳瀬の木々がまるで息を吹き返したように存在が立ち現れてきた。この土地で生命が廻り、生も死も自然がすべて包み込んでいった時空が私たちに静かに語りかけてくる。

「人は春に土を耕し、山から水を引いて苗を育て、秋に稲を刈るんじゃ。」
「米作りは喜びでぇ。仏教が入る前から人は自然に祈り、自然に生かされて生きてきた。人は幸せに生きるために働くんでぇ。力んだらいけん。気楽にやらんかい!」と笑う矢野さん75歳! 柳瀬の田んぼの活動は多世代の人間と自然とご先祖さんも総出の生命の祭りです。


田植えの風景

スタイルにこだわっています。
いにしえの人々の暮らしをおもう。

ぼちぼち(ゆっくり)いくでぇ。
方言がしっくりと心に届きます。

黄金の稲穂

黄金の風が吹く、
自然の祝福に包まれて。

一生懸命に働くって気持ちいい!
みんなの清々しい笑顔。

収穫の喜び

姫、豊作でございます。
柳瀬は平家の落人伝説のある土地です。
日本の歴史に思いを馳せる。
柳瀬には浪漫があります!

山の恵とおこめ。
わたしの生命が目覚める。

柳瀬のご馳走

土にさわり、人と共に働く。
生命の尊厳、
喜びが高らかに湧いてくる。
山から湧く水とお天道さまに感謝。

柳瀬のおにぎり

#おおいた柳瀬#田んぼ#生命の祭り#自然

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