日付: 2026年6月25日
参加者: 永原レキ(レキ君)/ 長沼敬憲(まこりん)/ きょん2
・〔セッション開始:4月の出会いから本制作プロジェクトへの展開〕
話者1が4月終盤に訪問した際の縁が予想以上に広がり、本制作が決まったこと、及び今後のコラボレーション可能性を探るためのミーティングであることが説明される。話者1は「トラちゃんとの出会いからこんなに広がるとは思わなかった」とコメント。対話形式でのチェックイン・チェックアウトを実施する流れが確認される。
・〔チェックイン:話者2(長沼敬憲/まこりん)の自己紹介〕
長沼敬憲はペンネームで、パートナーのきょん2から「まこりん」と呼ばれている。葉山に13年間住み、地域の人たちとのつながりが増えており、今回の講演もその自然な流れの一部。初めてちゃんと話す部分もあり緊張しているが、「流れを受け止めながら生まれるものを形にしていきたい」という気持ち。
・〔チェックイン:話者3(京子/きょん2)の阿波番茶体験〕
話者3は帰宅後に阿波番茶を見つけ、オーガニック系スーパーで購入。収穫前の時期だったが、たまたまタイミングが合った。話者2は朝に阿波番茶を煮出していたというシンクロニシティが起きている。えみちゃん(ナナデコール関係)との連携も進行中。
・〔つながりの複層性:ナナデコールと8月イベント計画〕
えみさんとの繋がりから、8月に何かイベントをやろうという提案が来ている。夏イベントと関連して阿波シリーズをテーマにした企画が3日前に打診された。共通の知り合いが存在するが、具体的な返答はまだ来ていない状況。話者2の妻が過去3~4年間、ナナデコールの物量を全て管理している。
・〔えみさんの背景と専門性〕
えみさんはファッション系の文章執筆能力を持ち、環境と職業に通じている。表参道で東京のど真ん中から発信する人物だが、ネイティブアメリカン、出雲信仰、シャーマニズム、ハワイアン文化にも精通。地方・海外問わず活動し、「謎の先輩」的な立場にある。
・〔葉山の禅会コミュニティと人脈ネットワーク〕
月曜日に葉山で座禅会があり、藤田一照というお坊さんが主導。彼は地残層の別荘の管理人で、月1回ボディーワーク中心の座禅を開催。ししどさんとも繋がりがあり、鎌倉とのネットワークも活発。横田美穂子も訪問している。
・〔つがおか(イラストレーター)の葉山・徳島の二重背景〕
つがおかは葉山在住で徳島出身のイラストレーター。先週までアワ銀行で徳島市街地にてイラスト展示会を開催。娘さんは話者2と同年代で面白い人物。葉山に住んでいることが判明したことで、さらなるつながりの可能性が見えている。
・〔個人的つながりから見える大きなシステム〕
話者2は個人的なつながりが大きな動きの一部に過ぎず、最終的には皆が一つの根源につながっていると考察。太平洋側のつながり、日本の限定された場所(葉山、徳島など)での必然的な繋がりが、その場に生まれて暮らしているだけで自然に形成されていると述べる。
・〔チェックイン:話者1(永原レキ)の生い立ちと血縁背景〕
徳島最南端の過疎地・海沿いの町で生まれ育つが、両親は大阪出身。祖父は香川県出身で四国に若干の縁がある。しかし父方に関しては血縁がなく、父親はプロサーファーで1970年代の第2次サーフィンブームで活動。母親は大阪アメリカ村のヒッピーカルチャー圏出身で、父親がサーファーだったため徳島に随行。
・〔西成のバックグラウンドと複合的アイデンティティ〕
父親が4歳で離婚して去り、母親一人で育てられる。母親は西成出身で、祖父は韓国(チェジュ)出身。話者1は4分の1コリアン。40年前の西成は暴動や薬物など深刻な状況下にあり、話者1は幼少期から中学までの数ヶ月間を西成で過ごし、それが第二の故郷となっている。
・〔トラさんとの共通項:西成と光と闇〕
トラさんが関わった本『ホーリーアウトロー』に、十字架を背負う人や組長が登場。この本に西成の背景が関連している。話者1の母親の西成出身背景と、親戚の韓国出身背景が、本の中に表現されている光と闇の話と共通項を持つ。
・〔大阪西成の歴史的重要性と聖徳太子との関わり〕
西成は聖徳太子が建立した四天王寺の近所にあり、西成大使町という地名で知られている。話者1は幼少期をこの歴史的に重要な場所で過ごし、四天王寺を見ながら多くのことを考えてきた。大阪は豊臣秀吉、真田幸村、戦国武将など歴史的に重要な人物と関連が深い。
・〔二面的アイデンティティ:海南町と大阪西成〕
話者1は現在の活動では伝統工芸、日本自然環境、神仏祭りなどが主体となっているが、もう一つの側面として人間社会の闇や影に属する西成のバックグラウンドを持つ。半々くらいのアイデンティティがあり、これが自分の思考と行動に大きく影響している。
・〔マイノリティーとしての立場:都市と地方の融合〕
話者1は田舎の人間として捉えられることが多いが、実は都市とのつながりも持っている。携わってきた環境がいつもマイノリティー的で、体制に対するアゲインストという思想を持つことが特徴。東京の六本木のような場所には土着性がないが、地方には存在する。
・〔四国との関わり:本制作への契機〕
虎ちゃんに四国に連れてこられてから、これまで触れたことのない土地に関わることになり、本制作にまで発展。3日間滞島中に流れるように多くの人と出会った。虎ちゃんはキーマンのような立場におり、本制作にあたって最初に話しておきたいと思った経緯がある。
・〔虎さんとの出会い:マサゴさんを経由した導入〕
虎さんとの出会いは、葉山の大先輩アーティスト・マサゴさんがきっかけ。マサゴさんはヒッピー的流れを組むアーティストで、絵も詩も書く。マサゴさんとの詩画集制作「シンクロシステム」が虎さんのテーマと共通している。白沢さんという販売担当者が静岡から登場し、マサゴさんの家で出会った。
・〔シンクロシステムのコンセプト〕
これまでの世界はコントロールシステムで成り立っていたが、自然や本来の人の生き方はシンクロシステムであるべきだという理念。マサゴさんはこれからの時代はシンクロシステムで人が繋がり生きていけることを作りたいと考えており、本制作の根本的なテーマとなっている。
・〔虎さんの出版経験と販売戦略〕
虎さんは出版社で働いていた経験を持つが、編集者としての経験はほぼない。ただしビジュアルセンスに優れ、人の繋がりを自然体で紡ぐ能力を持つ。マサゴさんの勧めで、虎さんを販売・宣伝担当として位置づけることが決定された。
・〔本の企画構成:虎さん中心の編成〕
虎さんが企画中心で、30年前に行った「お遍路さん」を再度現代の視点で捉え直す予定。虎さんは集大成的な本を作りたく、舞台は「始まりの国」としての四国。88箇所を意識的に歩く取材を実施。話者2はディレクター、マサゴさんは世界観・コンセプト面での助言者。
・〔11月の奉納コンサート計画:城山寺と陶芸者〕
11月1日に城山という聖地で奉納をしたい計画。安西純君が音響を担当し、徳島山方の関係者。マサゴさんとしても奉納的にやりたい意向。香川のこんぴらさん近くのまごころでも開催予定。コンサートというよりイベント的な性格を帯びている。
・〔えびす舞と淡路島浄瑠璃の深い文化〕
えびす舞は淡路島発祥の陰境浄瑠璃で、箱回しという形態で実施される。西成のような社会的階層の外にいた人たちが担ってきた文化。人形浄瑠璃で福を届ける活動。童話問題や教育委員会との連携も行われ、現代社会と継続的に結びついている。
・〔えびす信仰の再考察:海の神から金銭神への変遷〕
えびす信仰は本来、海の神で大漁祈願・海上安全の対象。流通を通じた物と人の循環を祈るものであった。しかし明治近代化の中で、商売繁盛=金銭獲得にすり替わったと話者1は考察。阿波の相性人が全国で活動する中で、この変遷に大きく関わった可能性を提唱。
・〔シンクロシステムとしてのお金の再位置付け〕
話者1は、お金も含めてすべてがシンクロシステムで循環すべきと考える。古来のえびす信仰に接続する要素があったはず。お金が汚いものではなく、循環の中で豊かさの一つのファクターとして位置づけられるべきと主張。本制作でこれを統合的に表現したい考え。
・〔AIツール「ANOMI」を使った構造化・データベース化〕
話者1が開発した生成AIで、虎さんの体験を全てデータベース化。音声をテキスト化し、「構造化」という手法で本のコアを抽出。個人のコアが全体のコアにもなり得るという捉え方。従来の手作業の文字起こしと比べ、約5分で処理可能という革新的な時間短縮を実現。
・〔コアの定義と編集の核心〕
コアとは個人あるいは状況の中で大切にされているもの。人間の感情やバイアスが介入することで、対話でコアが見つかりにくくなる。感情や信念対立を乗り越え、共有できるコアを見出すことが編集の最大の目的。メタコア(複数のコアの集合)が本の最終テーマとなる予定。
・〔本の制作スキーム:著者負担・多元的資金調達〕
トラさんが著者として制作費を出す形式。ただしトラさんは本の形態(雑誌に近い形、広告掲載など)を変え、複数の人を巻き込みながら資金を集める計画。話者2たちの制作費もそこから捻出される。完全な商業出版ではなく、著者の世界観を反映した流通を目指している。
・〔話者3の参加動機:情報の形化によるメリット〕
話者3は本制作に積極的に参加する理由として、自分の蓄積情報が形化されること自体にメリットを感じている。編集能力のある専門家との連携により、個人の知見が対外的に発信される価値を認識。金銭条件よりも誠意ある協力体制を重視。
・〔エビデンス・権威性・責任の緊張関係〕
話者1は学者ではなく何の資格も持たない立場で情報発信することへの責任感を持つ。大学教授のような権威性がないため、内容のリアリティと論理的整合性が信頼の基準となる。後付けでも監修者をつけるなどのテクニカルな手段は可能だが、本質は語り手の誠実性にある。
・〔既存権威の硬直化と新しい発言空間〕
既存の学位・資格制度が硬直化し、リアリティを失っている一方で、SNS台頭により無名の個人が影響力を持つ可能性が生まれている。この両極端の間で話者1は揺らいでおり、バランス感覚を大事にしながら、自分の発言に対する責任も自覚している状況。
・〔東大・早稲田などの権威機関への新しい見方〕
最近になって実際にキャンパスを訪問し、東大や早稲田の教育の強さと思想性を改めて認識。同時に、かつては反体制的だった自分が、いつの間にか体制側に近づいていることへの違和感も感じている。権力批判だけでなく、内部の苦労や必要性も理解する大人への変化。
・〔イノベーターとしての周辺性〕
話者1は話者3(レキ)をイノベーターと位置づける。イノベーションは中心ではなく周辺から起きるものであり、外部からの視点が既存システムを変える力を持つ。しかし同時に、周辺的存在をどう社会に出すかの「プロデュース」も重要な課題。
・〔バランス感覚と表現の自由〕
規制をかけすぎず、フラットな状態から発言してもらうことが第一。ただし怪しい本にはしたくないという方針があり、大事なエッセンスを柔らかく保ちながら、良い表現にすること。トラさんの言説の中には危うい部分があるが、その中に大事な核が隠れている可能性がある。
・〔座組みの重要性:空中分解を防ぐ〕
88箇所を短期間で歩き、その合間に多くの人と出会い、つながりを紡ぐトラさんのエネルギーは並大抵ではない。その勢いでプロジェクトが進行しているが、同時にちゃんとした座組みを組まなければ空中分解しかねないほどのスケール。
・〔アウトラインと対話的素材提供〕
今後、テーマを限定した上で複数回に分けて話者3から聞き出す方針。月1回程度、もしくはそれより短いスパンでのインタビューを計画。話者3の内部にあるエッセンスを、時系列・テーマ別に抽出し、本の素材化していく予定。
・〔歴史の主軸設定:阿波、忌部、空海〕
話者3が主として語れるテーマは、阿波藍、忌部、空海の3軸。これらが徳島という土地での暮らしの中で、文化・産業・地域・人との繋がりを通じて見えてきた関連性。本制作の核となる歴史的・文化的素材。
・〔構造化と次のステップの時間軸〕
6月末の対話を経て、7月初旬あたりで本格的なテーマ限定インタビューを実施。AIツールで構造化し、全体像を把握。11月の現地訪問までに、本の大枠を仮説化しておく必要がある。それに基づいて追加の取材や調査を精緻化。
・〔27日午後の次回セッション決定〕
話者1と話者3の予定が合い、27日(木)午後16時からのセッションが内定。話者2が国永先生との調整を進める。16時以降は話者1が子どもの帰宅で集中できないため、午後前半の実施希望。複数人との連続セッンも検討。
・〔チェックアウト:話者1のコア的メッセージ〕
「何者にもならない」というネイティブアメリカンの老人の言葉に共鳴。自分も何者にもならないように生きてきた自覚がある。しかし現代社会では多くの人がそれができていない状況。トラさんのような人との関わりが、自分の内部の「光と闇」を整理する機会になると感じている。
・〔チェックアウト:話者2の「野良猫」的立場〕
自分たちは研究者でもなく、何の肩書もない「野良猫」のような存在。権威やアンチ権威という対立軸を超えている。歴史を作ってきたのは言葉として残らないマイノリティーであり、編集という仕事はそうした隠れた存在を体系化する試み。シンクロシステムで循環する本と人のつながりを作りたい。
・〔チェックアウト:話者3のハーバード主席卒業生スピーチからの気づき〕
複数の宗教信仰(イスラム・キリスト・ユダヤ)を持つ家族の中での調和が、日本の精神性に類似していると気づく。世界のトップクラスの英知がこの日本的感覚を必要としており、国内外の連携が重要と認識。本のターゲットは日本国内だけでなく、世界に向かっていることが意識される。
・〔トコロアサオ:オリンピックエンブレムデザイナーの登場〕
話者1は10年間、トコロアサオというアーティスト兼デザイナーと最も深い協力関係を築いている。東京オリンピックのエンブレムデザイン担当。言葉ではなく文様・立体・平面デザインで意思疎通。東京大学、中国上海美術大学の講師を務める。
・〔トコロアサオの背景:青森から徳島への発見〕
アサオは青森の私立美術館での滞在制作から、青森の工芸と小銀座誌に触れた。小銀座誌と愛の繋がりを調べる中で、北前船による海鮮魚流通の起源が徳島にあることを発見。これがオリンピックエンブレムの根底となっている色彩・紋様選択に反映。
・〔デンツーと組織的乖離:隠された設計〕
デンツー広告代理店が広報政策部長を派遣し、エンブレムの背景にある思想を伝える努力をしたが、組織全体としては成功しなかった。結果として、トコロアサオという個人の歴史的知見と設計が、オリンピックという世界舞台では十分に語られないまま終わった。
・〔アート・デザインと無報酬の共鳴〕
トコロアサオは話者1の発信に対し、無報酬でアートやデザインでレスポンスを続けている。話者1の忌部やえびす信仰に関する情報発信に対しても自動的にビジュアル化してくれるが、経済的利益には結びついていない。この「宝の持ち腐れ」状況をプロジェクトを通じて活かしたい願い。
・〔トコロアサオの個性:文京区の隠遁的制作者〕
文京区の鎮山巣真向かいに住み、20年以上パターンと文様の制作に没頭。非常にデリケートな人物で、初対面ではやや距離を保つタイプ。ただし徳島には毎年1~2回訪問し、えびす信仰や神社参拝に関心を持つ。
・〔数学・幾何学の深い追究〕
トコロアサオは特に折り紙幾何学で日本トップクラスの水準。Quality of Life(QOL)やFlower of Life など、幾何学パターンが話題になる中でも、東大の研究陣が最先端にいるが、SNSなどメディアには出現していない。この隠れた英知を世界に繋げる必要性を感じている。
・〔「コネクション展」と東大建築の層厚さ〕
トコロアサオが主催する「コネクション展」は東大駒場キャンパスで年1回開催。東大建築・立体研の学生たちが参加。日本の教育品質と思想性を実感する場。この層厚い英知がなぜメディアに出ないのかに疑問を感じさつつも、その存在の重要性を認識。
・〔本プロジェクトへのトコロアサオの位置づけ〕
トコロアサオをクリエイティブパートナーとして本プロジェクトに組み込みたい構想。北前船・愛・海鮮魚という視点から、エンブレムに組み込まれた日本の精神性と歴史を、再度プロジェクトに活かす可能性。東京と徳島を繋ぐ知的創造ネットワークの構築。
・〔海と愛の全国ネットワーク:10年の研究蓄積〕
トコロアサオ、小林住彦(デンツー政策広報部長)、話者1の3人が、過去10年間、日本全国の「海と愛」の繋がりを共同研究。青森の小銀座誌から始まり、全国のネットワークを発見。これらをプロジェクトを通じて結実させたい構想。
・〔結語:バランス感覚と世界への視線〕
本のターゲット読者は日本国内ではなく海外にもいるはず。普遍性を持つテーマなら、言語を超えて伝わるべき。ウェブサイトでの多言語化やいろいろなメディア展開により、国境を超えたシンクロを生み出すことへの確信が高まった。