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「生き心地の良い町」—— 海部町・自殺率が低い理由

日付: 2013年(書籍刊行)/ 2025年5月16日(ふるさとウェブ記事公開)
参加者: 永原レキ(レキ君)ネットワーク / 海陽町・海部地域関連資料
キーワード: 海部町、海陽町、自殺率、コミュニティ、みせ造り、生き心地、移住、徳島、岡檀
出典: ふるさとウェブ(とくしま移住コンシェルジュ)
参照URL: https://www.furusato-web.jp/topics/p213575/


全国有数の「自殺"最"希少地域」だった海部町

死にたくなる土地と、そうでない土地がある。その違いは何か——
岡檀(おか だん)が20年かけて問い続けた答えが、この海部町にあった。

● 概要

情報・システム研究機構 統計数理研究所の岡檀特任教授が著した『生き心地の良い町—この自殺率の低さには理由がある—』(2013年、講談社)を紹介する記事。徳島県最南端、旧海部町(現・海陽町の一部)が全国でも極めて自殺率の低い地域であることに着目し、その土地の人々のユニークな人生観と処世術を解明した研究書。

海部町は2006年に海南町・海部町・宍喰町の三町合併により「海陽町」となった。永原レキ(レキ君)が総代を務める轟神社がある地域であり、始国マワリテメクル旅の重要な人々が生きる土地でもある。

● 「みせ造り」——縁台文化が人をつなぐ

海部町の住宅に独自の建築文化「みせ造り(みせづくり)」がある。家の前に木製の折り畳み式縁台を設け、住民が自然と集まれる仕掛け。道を歩く人と家人が気軽に言葉を交わせるこの空間設計が、地域のゆるやかなつながりを生んでいる。

「孤立しない構造が、町に組み込まれていた」——これが「生き心地の良い町」の根拠の一つ。

● 海陽町の現在

海陽町は徳島県最南端に位置する人口約8,000人の町。竹ヶ島・大里松原海岸・水床湾など美しい海岸線を持ち、サーフィンのメッカとしても知られる(永原レキのサーフ&藍染コミュニティの土台)。

2021年12月にはDMV(デュアル・モード・ビークル=鉄道と道路を走れる乗り物)の世界初の営業運行が開始された。過疎の最前線でありながら、常に何か新しいことが起きている土地。

● エッセンス

「死なない理由が、土地の文化に埋め込まれていた」
自殺予防を「個人の問題」ではなく「コミュニティの設計」として捉えたとき、海部町に答えがあった。縁台一つで人はつながれる——建築が文化を、文化が命を守る。

「辺境こそが最先端」
徳島最南端の小さな町が、現代社会が失ったものを静かに保ち続けていた。レキくんが海陽町を「世界の辺境から新しい文化が生まれる場所」として語る背景が、ここにある。

● コア

死なない土地がある
理由は誰も言語化していなかった

縁台が一つあるだけで
人は孤立しなかった

海部の人たちは
「生き心地」という言葉を知らずに
生き心地のよい場所を
作り続けていた

岡檀という研究者が
二十年かけてそれを言葉にした


一言でまとめると:海部町が全国最低水準の自殺率である理由は、「みせ造り」に象徴されるコミュニティ設計にあり、辺境の小町が現代社会への答えを静かに持ち続けていた

● 登場人物

  • 岡檀(おか だん):情報・システム研究機構 統計数理研究所 医療健康データ科学研究センター特任教授。著書『生き心地の良い町』(講談社)。
  • 海部町(現・海陽町):徳島県最南端。旧三町合併で2006年に海陽町となった。

● 関連スポット・人物

  • id:009 永原レキ(レキ君):海陽町と深い縁を持つアーティスト・藍染研究者。轟神社総代。
  • id:008 國永直樹:海南病院 総合診療科。同じ海陽町を医療の側から支える。
  • 轟神社(海部郡海陽町):レキくんが総代を務める神社(reki-09参照)